殺戮合宿〜モンスター〜
その時だった。


あたしは自分の目を疑った。


声を出すまでに何度も瞬きをする。


電球によって周囲よりも明るくなった窓の外。


そこに、黒いモノが立っていたのだ。


人の形をしているが全身真っ黒で、表面はドロドロに溶けている。


目、鼻、口は辛うじて凹凸でわかるけれど、耳はない。


「あれは……なに?」


しっかりとそう言ったつもりだったのに、声が震えてほとんど言葉が出ていなかった。


しかし孝利が異変に気が付いてあたしの横から窓の外を確認した。


「なんだあれ!!」


ソレを見た瞬間叫ぶ孝利。
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