殺戮合宿〜モンスター〜
先輩たちの熱意を感じる作品だった。


「昨日のアレは、幻覚だと思うか?」


突然そう聞かれて、あたしは身震いをした。


思い出しただけで全身に鳥肌が立つ。


「……幻覚なんかじゃないと思う」


窓の外にいた化け物を、あたしはこの目でちゃんと見た。


草木をかき分ける足音も、人間のような唸り声も。


「俺も幻覚なんかじゃないと思う」


会話をしている間に映画は終わり、製作者のエンドロールが流れ始めた。


エンドロールをぼんやりと眺めていると、1年生だけで20人ほどいたことがわかった。


「幻覚じゃなければ、なんなんだろう」


孝利がそう言った時、朝食の合図を知らせるチャイムが鳴りはじめたのだった。
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