殺戮合宿〜モンスター〜
「なんで?」


俊和が怪訝そうな表情を浮かべてそう聞いた。


「この作品のタイトルはモンスターだった」


亮輔の言葉に、一瞬にして昨日の化け物を思い出す。


ドロドロに溶けた肌はとてもリアルだった。


「そんな映画見てなんになるの」


祐里が呆れたため息を吐き出す。


確かに、あたしたちが見た化け物とこの映画のモンスターは違い過ぎる。


しかし、亮輔はみんなの意見を無視してブルーレイプレイヤーにセットした。


「いいから」


そう言って再生ボタンを押す。


画面に出て来たのは黒い布を被った化け物だ。


低い唸り声を上げながら人間を追いかけている。


捕まった人間はみんな血を吸われてしまうようだ。
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