殺戮合宿〜モンスター〜
「吸血鬼の出来損ない」


麻由子がそう言って笑う。


「でも、ここを見てみろよ」


化け物が出ているシーンで亮輔が画面を止めた。


指さした先には、キャラクターたちが懐中電灯を手に持っている。


「あ、昨日見つけた懐中電灯じゃないか?」


孝利が気が付いてそう言った。


確かに、そうみたいだ。


「だからなに? 先輩が映画の撮影で使ったのを、昨日見つけた。それだけでしょ?」


祐里が亮輔へ向けてそう聞く。


「思い出してみろよ。昨日の化け物は突然俺たちの前に現れただろ。でも、物音だけはずっとしてた。姿が見えなかっただけで、あいつは徐々に近づいてきてたんだ」


化け物のことなんて思い出したくもなかったけれど、仕方がない。

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