殺戮合宿〜モンスター〜
『なにを言い出すのかと思えば、面白いこと言うなぁ。そんなに怖かったか?』


「お兄ちゃん、こっちは真剣に聞いてるの!」


ちょっと起こった口調でそう言うと、ようやく笑うのをやめてくれた。


『あの映画はもちろん偽物だ。出て来る化け物だってショボイだろ?』


お兄ちゃんの言う通り、出て来る化け物はチンケなものだった。


『急に黙り込んでどうした? なにかあったのか?』


急に不安そうになるお兄ちゃんの声。


「ううん。なんでもない。仕事頑張ってね」


あたしはそう言って電話を切ったのだった。
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