殺戮合宿〜モンスター〜
「またあの化け物が出たってこと?」


祐里にそう聞かれて、あたしは左右に首を振った。


「わからない……」


浴槽に設置されている窓はすりガラスになっていて、外は見えない。


でも、あの音は確かに聞いた。


勘違いなんかじゃない。


「ライトを持って来よう。じゃないと相手が見えないから」


ハッと思い出したように麻由子がそう言った。


そうだ。


ライトで照らし出さないと化け物を目視するのとはできない。


見えないまま襲われる可能性もあるんだ。

< 85 / 258 >

この作品をシェア

pagetop