ファイヤークイズ
「理恵! 早く!!」


理恵の髪に再び炎が燃え移る。


両手で髪を抑えながら、理恵がやっとステージ上に立った。


その頃にはすでに体に火が燃え移り、理恵が悲鳴をあげながらステージ上を転がった。


地面にこすりつけられたことで火はすぐに鎮火していったのだが……あたしはその光景に目を疑っていた。


「あれ……血か?」


幸平が呟く。


「おい、なんだよあれ……」


光男の声も震えていた。


「こんなのあり得ない」


あたしは誰にも届かないような声で言った。
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