ファイヤークイズ
あたしはゆっくりと呼吸をしてもう1度周りを確認した。


今のところはまだ、通路の上と丸いステージ上には炎が回ってきていない。


目が覚めてから15分は経過しているけれど、炎の勢いが強まっている様子もないし、広がっている様子もない。


つまり、この炎は意図的に操作されているものなのだ。


「あたしたち全員焼き殺されるの!?」


理恵が叫んだので、あたしはゆっくりと左右に首を振った。


それは違うと、直感的に感じたのだ。


「……むやみに死んだりはしないと思う」


あたしは叫び声をあげる3人へ向けてそう言った。


「え……?」


理恵が涙で濡れた顔をこちらへ向けた。


「さっきから見てても、炎の勢いが変わらない。あたしたちを焼き殺したいだけなら、こんなまわりくどいことはしないでしょ」


あたしの言葉に全員が黙り込んだ。


「何が目的なのかは、わからないけど……」


そう言って俯いた時、体育館にチャイムの音が鳴り響いた。
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