ファイヤークイズ
「でも……!」


「最後までこのクイズをやりたい……。相手がなにを考えて、なにを目的にしているのか知りたい!」


それは悲痛な叫び声だった。


「どうしてこの4人が選ばれたのか。それに……」


そこまで言って理恵は口を閉じた。


でも、言おうとしていることはなんとなく通じて来た。


あたしたちがここに選ばれた理由もわからないが、春香の存在がネックになっていることだけは、見えて来ていたからだ。


どんな問題でも、回答の端々に春香の存在が見え隠れしている。


理恵からすれば、最も気にかかる要素だろう。


⦅それでは続いての回答者です⦆


スピーカーがようやく声を発した。


「おう、やってやろうじゃねぇか」


光男が低い声で威嚇するように言う。


あたしはゴクリと唾を飲み込んだ。


次のクイズはなんだろうか。


また、春香に関することだろうか。


だとすれば、どんなクイズになるのか……。


不安と恐怖で目の前の熱風すら忘れ去りそうになる。
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