ファイヤークイズ
ファイヤークイズ
それは聞きなれた学校のチャイムの音だった。


ピンポンパンポーン。


どこか力のない音の後、スピーカーから咳払いをする声が聞こえて来た。


それはボイスチェンジャーを利用しているようで、甲高く、時に不気味に歪み、不愉快なものだった。


⦅2年3組の石室澪さん、堤谷理恵さん、岡林幸平さん、吉井光男さん。おはようございます⦆


あたしと理恵は男子2人の後方に見えるスピーカーへ視線を向けた。


嫌な予感が胸をよぎり、ゴクリと唾を飲み込んだ。


しかし、理恵はスピーカーから声が聞こえて来たことで期待したらしい。


「助けて! あたしたちがここにいることがわかってるんでしょ!?」


スピーカーへ向けてそう叫びはじめたのだ。
< 12 / 154 >

この作品をシェア

pagetop