ファイヤークイズ
光男の母親がなにをしているのかなんて、今関係ないはずだ。


それに、今の光男の沈黙は聞いてはいけない質問だったということを意味している。


「光男と春香の共通点が他にないか、探したいんだ」


幸平が申し訳なさそうに言う。


「そんなことしてどうなるの?」


あたしは更に言う。


「もしかしたら、なにかわかるかもしれないから」


なにかってなんだろう。


わかったところであたしたちは拘束されていて、なにもできないんじゃなかったか。


そう言いたいのをグッと喉の奥に押し込めた。


光男を庇いたいという気持ちと、自分から可能性を捨ててはいけないという気持ちがせめぎ合っている。


「……働いてないよ」


小さな声で光男が言った。


「え?」


あたしは目を見開いて光男を見る。
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