ファイヤークイズ
幸平自身が目立たず、あまりそういう話もしないためつい忘れてしまうのだけれど。


「そうだよ。でも、このクイズにはなんの関係もない!」


⦅そろそろ答えをどうぞ⦆


「待てよ! なに言ってんのか全然わからないんだよ!」


幸平は今にも泣きだしてしまいそうだ。


⦅そうですか。では、もう少しわかりやすい言い方にします。あなたのお父さんは、この学校に多額の寄付をしていましたか? していませんか?⦆


その質問に、幸平は視線を父親へと向けた。


テーブルの上に拘束された父親は左右に首を振っている。


しかしその目は恐怖におびえて血走り、頬肉がヒクヒクと引きつっているのがわかった。


「寄付金……?」


幸平の声がひどく震えている。


「どうしたの幸平? 同じ市内にある学校に寄付することって、それほど珍しいこと?」


あたしの問いかけに、幸平はなにかを思い出したように息を飲んだ。
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