ファイヤークイズ
「良英と、付き合うため」


あたしの言葉に理恵が「え?」と、声を上げた。


驚かれても当然だった。


良英は見た目も性格もいいことで有名だった。


だからこそ、あたしが付き合うなんてできないと思っていた。


「何度も告白したけどダメだった。それでもどうしても付き合いたかったの! だから……!!」


良英があたしへ向けている愛情は本物じゃない。


そんなこと、わかっていた。


それでも、どうしても離したくなかったんだ。


どんなに汚い事をしても、手に入れたかった。


「でもさ、これで問題が変化してきたね? 春香のことじゃなくなってきた」


理恵が気を取り直すようにそう言った。


「そうか? 結局は学校のこととリンクしてるだろ。俺たちから、大人の問題に切り替わってきただけで、きっとまた春香との繋がりが出て来るかもしれねぇ」
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