ファイヤークイズ
「お前はただクイズに答えればいいんだよ!」


春香の母親の言葉にあたしは目を見開いた。


とても、死んでしまうかもしれない人間の発言とは思えなかった。


「なぁんか怪しいな」


光男が春香の母親を睨み付けて呟く。


「こんな状況で、どうしてそんなことが言えるんだよ」


「どんな状況だろうが、私にはもう関係ない。あの子がいないんだから、生きてる意味はない!!」


その言葉は胸を貫いた。


この人は春香のことを本気で愛しているのだ。


その娘がいなくなり、どれだけ苦しかっただろうか。
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