ファイヤークイズ
スピーカーの声を聞いてあたしは幸平へ視線を向けた。


幸平はこんなに暑い中青ざめている。


⦅なお、クイズは左回りとさせていただきます⦆


左回り。


つまり、幸平の次はあたしになるんだ。


また、ゴクリと唾を飲み込んだ。


熱くて喉はカラカラなのに、緊張しすぎて喉が動いてしまう。


心臓は早鐘を打ち続け今にも破裂してしまいそうだった。


「ちょっと待ってくれよ! なんで俺なんだよ!」


幸平がもがきながら怒鳴る。


クラス内でも見たことがないくらい、幸平の目が吊り上がっている。


「幸平落ち着いて! 最初の回答者なんだから、しっかり問題を聞かなきゃいけないでしょ!」


あたしは慌ててそう言った。


パニックになる気持ちもわかるけれど、1番に選ばれたからこそ冷静にならなきゃいけない。
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