ファイヤークイズ
簡単なもの
「……!」


幸平がギュッと目を閉じて、それから恐る恐る目を開けた。


そしてステージ上に出て来たものを確認すると、口をポカンと開ける。


「なにあれ? テスト用紙?」


そう言ったのは理恵だった。


理恵の言う通り、テーブル上に置かれて出て来たのはテスト用紙の束だったのだ。


「お前の大切なものってこれか?」


光男が警戒心を崩さないまま、幸平へ向けてそう言った。


幸平もなにがなんだかわからない様子だが、首を縦に振っている。


「あぁ……確かに大切だけど……」


そう言ってキョロキョロと周囲を見回している。


他にもなにか出て来るんじゃないかと、気にしているのだろう。


しかし、テスト用紙以外に出て来る気配はなかった。
< 23 / 154 >

この作品をシェア

pagetop