ファイヤークイズ
「確か、幸平って頭いいんだっけ」


思い出して、あたしはそう言った。


「勉強は好きだよ。でも、大切って言ってもなぁ……」


拍子抜けしたような幸平の声。


幸平の気持ちは理解できた。


ここまで大掛かりな仕掛けがあるのに、大切なものがテスト用紙じゃ恰好がつかない。


「ただの脅しじゃねぇの? 本当は俺たちを焼く気なんないんだろ」


さっきまでと比べたら、落ち着いた様子で光男が言う。


「でもこれ、本物の炎だよ」


そう言ったのは理恵だった。


理恵はまだ疑っているようだ。


⦅それでは、テスト用紙をかけたクイズをはじめます!⦆


スピ―カーから気合の入った、大きな声が聞こえて来る。


とにかく、先に進んでみないことにはわからない。


あたしたちはスピーカーの声へと耳を傾けた。


⦅岡林幸平さんへのクイズ!⦆
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