ファイヤークイズ
光男は簡単な問題ばかりを見ていることで、心に余裕ができてきているのかもしれない。


そのため、仲間を見下す発言が出て来たのだ。


「大丈夫だよ、ありがとう澪」


理恵はこちらへ向いてそう言うが、その顔はひきつっている。


本当に大丈夫なのか、一抹の不安が過った。


⦅では、クイズにうつります!⦆


その言葉に理恵が唇をキュッと引き結んだ。


スピーカーを睨み付けて、緊張がこちらにまで伝わって来るようだった。


⦅テーブル上にあるスマホの持ち主の名前は!?⦆


その質問にあたしは安堵して理恵を見た。


「ほら、やっぱり簡単でしょ?」


あたしたちにはわからなくても、理恵ならすぐに答えられる質問だ。


ホッとして理恵へ向けてそう言ったのだが……。
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