ファイヤークイズ
「あんなスマホ燃えてもいい! あたしは答えない!」


今度は顔をあげ、スピーカーへ向けて叫ぶ。


あたしは驚いて理恵を見つめた。


「ちょっと理恵本気なの? あのスマホは理恵にとって大切なものなんでしょう!?」


クイズの答えは簡単だ。


それなのに大切な物を手放すなんて……!


「たった今いらないものになったの!」


理恵が叫ぶようにしてそう言った。


その頬には涙が流れている。


嘘だ……。


理恵は嘘をついている。


じゃないと、あんなに苦しそうな顔するはずがない。
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