ファイヤークイズ
天井付近に付けられた換気扇が重低音を響かせながら、煙を外へ排出している。


なにあれ、昨日まではなかったはずなのに。


顔を上げたままだとまた頭痛が始まりそうだったので、あたしは視線を正面へと戻した。


あたしの体は立ったまま何かに固定されていた。


胸のあたりと、両足に金属の輪が付けられていて、それが背中側にある壁のようなものとくっついている状態だ。


真後ろがどうなっているか確認はできないが、指先だけ動かして触れてみると壁のようなソレは金属製の板のようなものだということがわかった。


両腕は胴と一緒に金属の輪によって固定されているので、動かせるのは本当に指先だけだ。


灰色の通路の先には丸いステージ状の場所があり、その周りも炎で包まれている。
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