ファイヤークイズ
「あまり調子に乗ってるからそんな風に言われるんだ」


幸平があたしの味方についた。


光男はあたしと幸生を交互に見て「へぇ、お前はそういう関係か」と、またネバついた笑みを浮かべる。


あたしは大きくため息を吐きだした。


こんな挑発に乗っちゃダメだ。


これこそ、相手が望んでいた展開かもしれないんだから。


あたしは光男の言葉を無視して中央のステージへ視線を向けた。


テーブルの上ではスマホがドロドロに溶けて、ただの黒い塊になってしまっている。


しかしテーブルは無傷で、通路などと同じように特別な加工がされているようだ。


「お前らだって知ってるんだろ? 理恵の噂」


光男の言葉に理恵がハッとしたように顔を上げた。


何かを懇願するように光男へ視線を向けている。
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