ファイヤークイズ
頭では理解しているのに、かける言葉が見つからなかった。


同姓が好き。


ただそれだけで後ろめたいものを抱えてきた理恵に言えることなんて、あたしにはなにもなかった。


でも……光男への怒りは急速にせり上がってきてしまった。


自分を押さえられなかった。


あたしは光男をキッと睨み付けると「なんで今そんなこと言うの!」と、叫んでいたのだ。


理恵の噂は知っていた。


だからさっき『元カレ』と言ったのを聞いて、噂は嘘だったのだと確信したのだ。


それなのに……!
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