ファイヤークイズ
理恵はなにも答えず、その場でうなだれて肩を震わせている。


せっかく、大切なスマホを燃やしてまで秘密にしたのに、こんな形で暴露されるなんてひどすぎる!!


「理恵、気にしなくていいから」


そう声をかけても、理恵は反応しない。


理恵の立つステージに次々と涙の粒が落ちて行き、それは炎の熱によってすぐに消えていった。


「あの噂は本当だったってことかぁ、へぇ~!」


わざと大きな声でそう言う光男を、あたしは睨み付けた。


この男にはもっと大切な物を失ってほしいと、心の底から願わずにはいられない。


「今はそんなことどうでもいい」


幸平が怒りを込めた声で光男へ向けて言った。


同じだけ熱を感じているはずなのに、光男1人だけ涼しい顔をしているのが許せなかった。


仲間を傷つける光男はもっと苦しむべきだ。


それこそ、生意気な口がきけないくらいに。
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