ファイヤークイズ
「早く次の問題へ行けよ!」
幸平がスピーカーへ向けてそう言った。
もうこれ以上光男の意気揚々とした顔を見ていたくなかった。
⦅それでは、次の回答者は吉井光男さんです!⦆
自分の名前が呼ばれると光男は舌打ちをし、あからさまに不機嫌な顔になった。
「なんだよ、もっと傍観者やってたかったのによぉ」
ブツブツと文句を言いながら、中央のステージへ視線を向ける光男。
光男がひとまず大人しくなり、あたしは安堵のため息を漏らした。
でも……正直おどろいた。
理恵の恋人が春香だったなんて、全然気が付かなかった。
春香とは同級生で1年生の頃同じ1組だった。
背が小さくて大人しくて、お人形のような子だ。
思い返してみれば、春香はどんなときでも理恵と一緒にいたかもしれない。
女子はだいたい同じ子と一緒にいるから、それほど気にしたことはなかったけれど、2人には友情以上の特別な感情があったのだ。
幸平がスピーカーへ向けてそう言った。
もうこれ以上光男の意気揚々とした顔を見ていたくなかった。
⦅それでは、次の回答者は吉井光男さんです!⦆
自分の名前が呼ばれると光男は舌打ちをし、あからさまに不機嫌な顔になった。
「なんだよ、もっと傍観者やってたかったのによぉ」
ブツブツと文句を言いながら、中央のステージへ視線を向ける光男。
光男がひとまず大人しくなり、あたしは安堵のため息を漏らした。
でも……正直おどろいた。
理恵の恋人が春香だったなんて、全然気が付かなかった。
春香とは同級生で1年生の頃同じ1組だった。
背が小さくて大人しくて、お人形のような子だ。
思い返してみれば、春香はどんなときでも理恵と一緒にいたかもしれない。
女子はだいたい同じ子と一緒にいるから、それほど気にしたことはなかったけれど、2人には友情以上の特別な感情があったのだ。