ファイヤークイズ
良英は手足をロープで拘束され、テーブルに座らされている。


逃げようとしても、ロープとテーブルの足が手錠で繋がれているため身動きが取れない状態だ。


「良英……!!」


名前を呼ぶと青い顔をした良英があたしに気が付いた。


「澪!?」


驚愕の表情を浮かべて、あたしの名前を呼ぶ。


良英も何も聞かされないまま、拘束されたのかもしれない。


自分の心臓が一気に早鐘を打ち始め、少しでも良英に近づこうと上体が前のめりになる。


しかし、どれだけ必死にあがいてみても、その距離は1ミリたりとも近づかない。


「人間なんて、卑怯だよ!」


理恵が叫ぶ。
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