ファイヤークイズ
「まぁ、彼女をコロコロ変えるのもどうかと思うけど?」


幸平の言葉に良英は視線を伏せた。


自覚があったのだろう。


その反応にあたしはため息を吐き出した。


良英は小学校の頃からバスケをしているため背が高く、その容姿も秀でている。


寄って来る女の子たちが多いのは知っていたけれど、自分の身近な人と付き合っていたと知ると気分はよくなかった。


「ごめん澪」


あたしが落ち込んでいることに気が付いて、良英が言う。


「いいよ。今そんなことで怒ってる場合じゃないしね」


あたしがそう言ったタイミングで、アナウンスが聞こえて来た。


⦅それでは次のクイズです!⦆


その言葉にあたしはスピーカーへ視線を向けた。


とにかく、二股をかけられていなかっただけよしとしなければいけない。
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