ファイヤークイズ
「え?」


耳元で言われた言葉にあたしは目を見開いた。


逃げるってどうするつもりだろう?


「このステージの下から逃げれるはずだ」


あ……。


大切なものはいつもステージの下から上がって来る。


ということは、人の行き来できるスペースがあるということだと、最初からわかっていたことだ。


でも、そこまで移動する手段がなかった。


「無理だよ。もし下に行けたとしてもこのクイズに関わってる人が沢山いる。きっと、すぐに捕まるよ」


あたしはそう言って良英から身を離した。


「そうだとしても、俺が助けるから」


その言葉にも、あたしは左右に首を振った。
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