私の中にキミがいる限り
「なんで黙ってたの!」


「なんでって、聞かれなかったし」


透はそう言い声を上げて笑う。


自分は関係ないとでも思っているのだろうか。


「知ってた時点で同罪でしょ!? 明人君やあたしが苦しんでいるのを見て何とも思わないの!?」


こんな男には何を言っても伝わらない。


そう理解していたけれど、言わずにはいられなかった。


明人君は教室に来れなくなってしまっているのだ。


あたしだって、本格的に教室内でのイジメが始まってしまった。


知っていたのに黙っていたなんて卑怯だ。


「なんと言われてもいいけど、早めに真犯人を見つけた方がいいぞ? お前明人みたいになる前にさ」


透はそう言うと、あたしを置いて空き教室を後にしたのだった。
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