私の中にキミがいる限り
罵声
1時間目の授業が終わった時、再び田村先生が保健室を訪れた。


田村先生はいつもこうして様子を見に来ていたようだ。


「どうしたんだ富田」


今日はあたしも教室へ行かなかったことで田村先生の眉間のシワが深くなっている。


申し訳ない気持ちもあるが、事態が事態だ。


教室へ行く事で自分の心が傷つけられるくらいなら、ここにいた方がずっといい。


「教室へは行きたくないので」


そう言うと、田村先生は余計に顔をしかめた。


先生には理由を言った方がいいよね?


そう思い、あたしは自分が立たされている状況を説明した。


昨日ミッキーに話したように細かくはないけれど、おおざっぱに説明する。


すると田村先生は驚いた顔をして「本当か?」と聞いて来た。


その疑いの視線に胸がチクリと痛む。


田村先生は本当にあたしを疑っているわけじゃないと、頭では理解していた。


ただ、信じられないから聞き返しているだけなのだ。


それでも、あたしの言葉を否定されたような気がして嫌だった。
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