私の中にキミがいる限り
☆☆☆

犯人がわかっていてもどうにもならない。


それはあたしの心のズシリと重たくのしかかって来る言葉だった。


明人君はきっと犯人を知っている。


けれど何もできずに保健室登校しているのだ。


なんで?


とは、聞けなかった。


今のあたしだって同じような状況だ。


久美や清香が中心になってイジメられているのに、やられっぱなしだもん。


結局、イジメは相手が飽きてやめるまで我慢するしかないんだろうか。


そう考えるとため息が出た。


6時間目の授業を終えた時、あたしのスマホが震えた。


確認してみると、久美からのメールだった。


読まずに消してしまおうか。


そう思ったけれど、ここで無視すれば今度はどんなことをされるかわからない。


エスカレートしていくことを考えると、無視することすらできなくなった。
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