私の中にキミがいる限り
あたしは億劫な気持ちでメールを開き、内容を確認した。


《放課後校舎裏に来て》


いつも絵文字を沢山使ってメールをしてくる久美が、たったそれだけの文章を送って来る。


それだけで嫌な予感しかしなかった。


「どうかした?」


保健室の掃除を始めようとしていた明人君にそう声をかけられてあたしはすぐにスマホをしまった。


「なんでもないよ。早く掃除を終わらせちゃおう」


あたしはそう言うと、掃除道具入れからホウキを取り出したのだった。
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