私の中にキミがいる限り
☆☆☆

それから20分後。


あたしは重たい足を無理やり前へと出して校舎裏に来ていた。


生徒たちの姿はどこにもなく、湿っぽい空気が流れている。


これからなにが行われるのかなんとなくは想像がついた。


それでもあたしは自分の足でここまで来たんだ。


ぼんやりと湿った土を見つめていると、2人分の足音が聞こえて来て顔を上げた。


久美と清香が楽しげな笑い声を上げながら歩いてくるのが見えた。


つい最近まではあたしもあの輪の中にいたはずだった。


それが今ではあたしが1人だけ悪者だ。


友人関係が壊れるなんて、とても容易いことなんだ。
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