私の中にキミがいる限り
公園に足を踏み入れた瞬間、あたしは「あっ」と声を上げて立ち止まっていた。


公園の右側にある砂浜に見知った人がいる。


その人は灰色の猫を遊んでいて……あたしに気が付いて顔を上げると、ニコッといつもの笑顔を浮かべた。


「ミッキー、なんでこんなところにいるの?」


あたしは驚いてそう聞きながらミッキーに近づいた。


大股で歩いたせいで猫が驚いて逃げて行く。


「あーあ、美紗っちのせいで逃げちゃったじゃん」


ミッキーは残念そうに猫の後ろ姿を見送る。
< 162 / 216 >

この作品をシェア

pagetop