私の中にキミがいる限り
自分にとって最善策がなにか、そう考えた結果いい子でいることが困難ならば、それを捨てることだっていとわない。


それが両親に対する裏切りだとしても、あたしは自分を守るために最善を尽くす必要がある。


「あたしは悪い事なんてしてない」


あたしはお父さんを真っ直ぐに見つめてそう言った。


そうだ。


あたしは今の自分にとっての一番いいことをしているハズだ。


傍から見ればいいことだとわからなくても、間違った事なんてしていない。


それを理解してもらうためには、ちゃんと説明しなきゃいけない。


すでに警察のお世話にもなっているのだ。


このまま両親に黙ったままでいられるはずもない。


自分がイジメられている事を両親に説明する日が来るなんて思ってもいなかった。


これほど苦しくて悲しくて情けなくて、そして、勇気がいることなんて今まで経験したことがない。
< 171 / 216 >

この作品をシェア

pagetop