私の中にキミがいる限り
教室を出て友人たちの声が聞こえなくなると、ようやく緊張が解けて行く。


朝からいままでずっと緊張状態だったのかと思うと、自分でも驚いてしまった。


いまのところ友人たちがあたしのサイトについて話題にしてくることはなかった。


だけどわからない。


こうしてあたしがいない間に、コソコソとおしゃべりをしているかもしれない。


『体調大丈夫?』


というメールをしながら本当はみんなで笑っているかもしれない。


考え出したらキリがなくてあたしは走り出した。


あの子たちから少しでも遠ざかりたい。


そんな思いで保健室まで一気に走った。


1階にある保健室までやってくると、ようやく足を止めた。


呼吸は乱れ、息が上がっている。


階段を必死で駆け下りるなんて、初めてのことだった。


深呼吸をして呼吸を整え、ノックする。


「はい」


すぐに返事があってドアが開いた。
< 24 / 216 >

この作品をシェア

pagetop