私の中にキミがいる限り
白衣を着た、保険の先生が出迎えてくれる。


先生は３０代前半の美人な人で、牧野イツカという名前だった。


７月５日に産れたからイツカと名付けられたのだと、聞いたことがある。


「あら、どうしたの？」


「えっと、あの……」


保健室でご飯を食べさせてください。


とはなかなか言えなくて口ごもってしまう。


ここでご飯を食べるということは、教室に居づらいからだとバレバレだ。


みんなに保健室に行くと言ってしまったから素直にここに来たけれど、１人で食べる事ができる場所ならどこでもよかったんだ。


どこか他の場所を探そうと思ったその時だった。


保健室の中で弁当を食べている男子生徒が見えた。


「あれ……？」


その顔には見覚えがあり、あたしは思わずそう呟いていた。


男子生徒があたしに気が付き、驚いたような視線を向けて来る。
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