私の中にキミがいる限り
隣に座っている明人君が驚いたような顔をしてあたしを見ている。


あたしは気が付かないフリをして鞄の中からお弁当を取り出した。


目だけ動かして明人君のお弁当箱を覗くと、可愛らしいキャラ弁だった。


それを見た瞬間、思わず吹き出してしまった。


「こ、これは、お母さんが勝手に作るから」


すぐに自分のお弁当を笑われたのだと気が付いた明人君が、顔を真っ赤にしてそう言った。


お弁当箱の中に入っているのは仮面ライダーなんとか、とかいう子供向けの特撮キャラだったのだ。


あたしは笑うのをグッと我慢し、自分のお弁当箱に視線を落として食事に集中したのだった。
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