私の中にキミがいる限り
だけど、ナンパなんてまっぴらだった。


あたしは青年から視線を外してベンチを立ちあがった。


場所を変えよう。


そう思ったのに……。


「ねぇ。俺も隣に座っていい?」


そう聞きながらあたしの腕を掴んできたのだ。


そしてそのままベンチに座る青年。


あたしは驚いた表情のまま、だけど腕を振り払うこともできず、ベンチに逆戻りしてしまった。
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