私の中にキミがいる限り
机の中
いつもは警戒してしまう楓とも、ミッキーと通して普通に会話ができた。


楓が何かを隠しているような様子は特にない。


楓はあたしの事を心配してわざわざ声をかけてくれたし、信用してもいいかもしれない。


真っ暗な闇に包まれた学校生活の中で、安心できる存在というのは大きかった。


翌日。


あたしはいつもよりいい気分で学校へ向かっていた。


相変わらず空は晴れていて梅雨時期が来てしまうのがもったいないとさえ感じられた。


「おはよう」


下駄箱で楓がそう声をかけて来た。


あたしは自然と笑顔になり「おはよう」と返事をする。


やっぱり、楓は犯人じゃなさそうだ。


メンバー内でも一番大人しい子だし、人のサイトを乗っ取るような卑劣な事をするようには思えなかった。


あたしと楓は肩を並べて教室へと向かった。
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