私の中にキミがいる限り
まるで母親に叱られた小学生のように小さな声で謝って来る。


その様子を見ていると今度は呆れてしまった。


さっきからなんなんだろう。


コロコロと顔色を変えて、本当に子供みたいだ。


落ち込んでいる青年を見ていると、なんだか自分が悪い事をしてしまったような気分になてしまう。


本当は青年のことなんて無視して立ち去ってしまいたかった。


でも……なんだかこのままほっとくのもなぁ……。


なんて、思ってしまったんだ。


「あたしの名前は富田美紗(トミタ ミサ)。あんたは?」


ぶっきら棒に自己紹介してみると、青年がパッと顔を上げて笑顔を見せた。


「俺はミッキーだよ!!」


大きな声でそう言う青年に、あたしは瞬きを繰り返した。


ミッキーって、夢の国のあれじゃないだろうな?


着ぐるみの中の人でーす!


なんて言い始めたらどうしようか。


そんなことを考えていると、青年がミッキーはあだ名だと教えてくれた。
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