私の中にキミがいる限り
それを聞いてホッと胸をなで下ろした。


それもそうか。


ミッキーなんて本名でつける親はそうそういない。


「本名は?」


「なんだと思うぅ?」


ミッキーは大きな目をキラキラと輝かせてそう聞いて来た。


「いや、別に興味はないし」


あたしはすぐにそう言い放った。


「えぇ!? 美紗っちひどくない!?」


ミッキーは本気で傷ついたような表情をする。


美紗っちって……。


心の中で呆れながらミッキーを見る。


「黙ってると気まずくなるかもしれないから、聞いただけ」


ズバリ言うとミッキーは泣きそうな顔になってしまった。


本当に、感情のすべてが顔に出ているんじゃないだろうか。


「美紗っち、俺の事を気にしてくれてるんだね!」


「別にそんなんじゃ……」


と、否定しかけてやめておいた。


ミッキーがあまりにもいい笑顔を浮かべているものだから、不覚にもドキッとしてしまう。
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