私の中にキミがいる限り
「なぁ、俺も正直に言うよ」


黙り込んでしまったあたしへ、明人君がそう言った。


「俺がここで燃やしていたのは俺の机の中に入れられていた合成写真だ」


「え……?」


予想外の言葉にあたしは顔を上げて絶句した。


「その合成写真には俺の友人の顔を使われていた。それが毎日自分の机の中に入れられてたんだ」


それはあたしと全く同じやり方だった。


「合成写真なんて、今では簡単に作れてしまう。犯人が誰かなんてわからなかった。俺がやったんじゃないと言っても、誰も信じてくれなかった」


あぁ。


あたしは明人君と同じクラスメートだったのに、何も知らなかったんだ。


1年の頃は毎日友人たちと遊ぶことが楽しくて、周りでなにが起こっていたかなんて知ろうともしなかった。


「……あたしも、同じ」


あたしはどうにか声を絞り出してそう言った。


明人君が息を飲む音が聞こえて来た。
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