私の中にキミがいる限り
あたしは慌ててミッキーから視線を外し、水面を見つめた。


川魚たちが泳いでいるのが見える。


川の中で心地よさそうだ。


「俺はこういう沈黙も好きだなぁ」


ミッキーが不意にそう言った。


「はぁ?」


今出合ったばかりで沈黙になったら気まずいだけだろうが。


そう思い、ミッキーを睨み付けた。


しかしミッキーはすでに人の話をきいておらず、足元のたんぽぽをつんでいる。


なんだかすごく自由な人だな。


半分呆れながらも、少しだけ羨ましく感じた。


あたしもこの人くらい自由になれから、楽になれるのかな。


そんな事を考えて、まだ明るい空を見上げたのだった。
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