私の中にキミがいる限り
翌日は土曜日で学校は休みだった。


学校がないと思うと心が軽い。


今日と明日は誰とも会わなくていいんだ。


誰が犯人かとビクビクして過ごす必要がない。


それだけで、あたしの1日が劇的に変化する。


「美紗、今日はどこかへ行く予定があるの?」


朝、比較的早い時間にリビングへ向かうとお母さんにそう声をかけられた。


リビングにはお父さんもいて、大きなチラシを広げて見ている。


どうやら2人とも休みみたいだ。


「特になにもないよ?」


「それなら一緒に買い物に行かない? 新しいお店が入ったみたいなのよ」


お母さんがそう言い、お父さんがあたしにチラシを見せて来た。


大型ショッピングモールに新店舗が入ったらしい。


少し前にお店が次々と閉店していたから、潰れてしまうんじゃないかと心配していたところだった。


「いいね。行ってみよう」


あたしはそう言い、頷いたのだった。
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