私の中にキミがいる限り
久美はそれらを1つ1つ見せびらかして自慢してくる。


男たちは興味なさそうにしているが、それでも相槌を打っている。


「さっすがお嬢様!」


久美の自慢が一通り終わったタイミングで清香がそう言い、拍手をした。


こんなの拍手をする場面じゃない。


そう思っているけれど、あたしもそれに合わせて拍手した。


久美は満足げにほほ笑んでいる。


「じゃぁ、今度はこの服を着て来るから、ちょっと待っててね」


久美がそう言い、洋服を1枚持って部屋を出た。


その様子を呆れ顔で見送る楓。


あたしは小さくため息を吐き出した。


遊ぼうと誘われた結果がこれだ。


こんなの遊びでもなんでもない。
< 83 / 216 >

この作品をシェア

pagetop