私の中にキミがいる限り
それでも離れる事ができないのは、やっぱりクラスの地位とか、今悩んでいるサイト乗っ取りの件があるからだった。


今久美を敵に回したらどうなるかわからない。


あたしはパジャマ姿のままベッドに座り、自分のサイトを確認した。


ここ数日確認していなかったので自分のサイトを開くことには抵抗があったが、昨日久美の家を黙って出て来てしまった事が気になっていた。


「え……?」


しかし、サイトを確認して目にしたのは意外なものだった。


あたしの日記が更新されている。


それは久美への悪口が書かれたものだったのだ。


あたしは何度もそれを読み直した。


犯人は久美かもしれないと心の中で感じていた部分があったから、こんな風に久美の悪口が書かれることは意外だった。


犯人は久美以外の人間なのかもしれない。


どっちにしても、久美がこれを見てしまったらと思うと気が気ではなかった。


あたしは運営会社のメールボックスを開き、すぐに日記の削除を要請したのだった。
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