キミガ ウソヲ ツイタ
今年も幼馴染みが誕生日を祝ってくれるのかと思ったけど、恋人でもあるまいし、さすがに幼馴染みの誕生日を祝うためだけに大阪から出てくることはないだろう。
「へぇ……いいなぁ、幼馴染みか。俺なんか今年も誰かに祝ってもらう予定ないよ」
本当は毎年いとこたちが祝ってくれるし、今年の4月9日ももちろん祝ってもらったのだけど、“誕生日を祝ってくれる彼女はいません”とアピールするためにまた嘘をついた。
他の同僚たちも一緒に食事をしたり酒を飲んだりしているときは楽しそうにたくさん話す葉月が、帰り道が同じ方向の俺と二人きりになると、いつもなんとなくそっけないというか、明らかに口数が少なくなる。
もしかして俺のことは苦手なのかなとか、あまり好きなタイプではないのかもとか、嫌われていたらどうしようかと思ったりもした。
だけど俺は、どうにかして葉月に近付きたかったし、もっと仲良くなりたかった。
いろいろ悩んだ末、誕生日が近いと言えば親近感が湧くのではないかと思いつき、あわよくば二人でお祝いをして、いい感じになりたいと思ったのだ。
葉月は口元に手を当てて少し笑った。
「そら寂しいなぁ。誕生日いつなん?」
「へぇ……いいなぁ、幼馴染みか。俺なんか今年も誰かに祝ってもらう予定ないよ」
本当は毎年いとこたちが祝ってくれるし、今年の4月9日ももちろん祝ってもらったのだけど、“誕生日を祝ってくれる彼女はいません”とアピールするためにまた嘘をついた。
他の同僚たちも一緒に食事をしたり酒を飲んだりしているときは楽しそうにたくさん話す葉月が、帰り道が同じ方向の俺と二人きりになると、いつもなんとなくそっけないというか、明らかに口数が少なくなる。
もしかして俺のことは苦手なのかなとか、あまり好きなタイプではないのかもとか、嫌われていたらどうしようかと思ったりもした。
だけど俺は、どうにかして葉月に近付きたかったし、もっと仲良くなりたかった。
いろいろ悩んだ末、誕生日が近いと言えば親近感が湧くのではないかと思いつき、あわよくば二人でお祝いをして、いい感じになりたいと思ったのだ。
葉月は口元に手を当てて少し笑った。
「そら寂しいなぁ。誕生日いつなん?」