キミガ ウソヲ ツイタ
佐野と二人で会社の近くの居酒屋に行くと、葉月が一人でテーブル席に座って待っていて、このあと告白するのだと思うと、ただ葉月が目の前にいるだけでいつもに増してドキドキした。
いくつかの料理とビールを注文して、いつものように仕事のことや世間話など、他愛ない会話をしたけれど、その間も葉月は相変わらず俺とは目を合わせようとしなかった。
──玉砕確定だな。
そんなことを考えながらビールを飲んだ。
本当は余計なことを考えなくて済むように思いきり飲みたかったけれど、ベロベロに酔って告白しても真剣に受け止めてもらえそうにないので、あまり飲みすぎないようにセーブした。
こんなときはいくら飲んでも酔わないザルの佐野が羨ましいと思った。
佐野は新人の歓迎会で誰よりも多く酒を飲まされても涼しい顔をしていた上に、酔ってしまった先輩たちをやけに慣れた様子で介抱していたから、相当酒に強いんだと思う。
葉月は少し赤い顔をしていたけれど意識はハッキリしていたし、俺が告白しても明日になったら“伊藤くんはなんて言うてたんやっけ?忘れたわ”などと言うほど酔ってはいなさそうだった。
いくつかの料理とビールを注文して、いつものように仕事のことや世間話など、他愛ない会話をしたけれど、その間も葉月は相変わらず俺とは目を合わせようとしなかった。
──玉砕確定だな。
そんなことを考えながらビールを飲んだ。
本当は余計なことを考えなくて済むように思いきり飲みたかったけれど、ベロベロに酔って告白しても真剣に受け止めてもらえそうにないので、あまり飲みすぎないようにセーブした。
こんなときはいくら飲んでも酔わないザルの佐野が羨ましいと思った。
佐野は新人の歓迎会で誰よりも多く酒を飲まされても涼しい顔をしていた上に、酔ってしまった先輩たちをやけに慣れた様子で介抱していたから、相当酒に強いんだと思う。
葉月は少し赤い顔をしていたけれど意識はハッキリしていたし、俺が告白しても明日になったら“伊藤くんはなんて言うてたんやっけ?忘れたわ”などと言うほど酔ってはいなさそうだった。