キミガ ウソヲ ツイタ
葉月は風呂に入ったところなので暇だし、一人で中身を確認してみることにしようと封を開けた。
封筒の中には便箋が3枚入っていて、そこには宛名と同じく丁寧な手書きの文字がびっしりと並んでいる。
読み進めていくうちに差出人の北村 雅夫という人が、母が父と結婚する前に付き合っていた恋人だったことや、父と離婚したあとに再婚した相手であることがわかった。
その手紙によると、母は学生の頃に花嫁修行のひとつとして習っていた華道教室で家元の息子の北村さんと出会い恋に落ちたそうだ。
お互い初めての恋に真剣だったけれど、母には祖母が決めた婚約者がいて、母が父と結婚する直前に泣く泣く別れたらしい。
そして母が俺を産んでから数年後に二人は偶然再会した。
その頃の母は父との形だけの結婚生活に憔悴しきっていて、一人息子の俺も成長するにつれ自分の手から離れていくのが寂しいと泣いてばかりいたそうだ。
別れてからも母を忘れられなかった北村さんがそんな弱りきっている母を放っておけるわけもなく、母もまた父と結婚してからもずっと北村さんを想い続けていたそうで、許されないことだとわかっていながらも、一度はあきらめたはずの恋心が再燃して、逢瀬を重ねるようになったらしい。
封筒の中には便箋が3枚入っていて、そこには宛名と同じく丁寧な手書きの文字がびっしりと並んでいる。
読み進めていくうちに差出人の北村 雅夫という人が、母が父と結婚する前に付き合っていた恋人だったことや、父と離婚したあとに再婚した相手であることがわかった。
その手紙によると、母は学生の頃に花嫁修行のひとつとして習っていた華道教室で家元の息子の北村さんと出会い恋に落ちたそうだ。
お互い初めての恋に真剣だったけれど、母には祖母が決めた婚約者がいて、母が父と結婚する直前に泣く泣く別れたらしい。
そして母が俺を産んでから数年後に二人は偶然再会した。
その頃の母は父との形だけの結婚生活に憔悴しきっていて、一人息子の俺も成長するにつれ自分の手から離れていくのが寂しいと泣いてばかりいたそうだ。
別れてからも母を忘れられなかった北村さんがそんな弱りきっている母を放っておけるわけもなく、母もまた父と結婚してからもずっと北村さんを想い続けていたそうで、許されないことだとわかっていながらも、一度はあきらめたはずの恋心が再燃して、逢瀬を重ねるようになったらしい。