キミガ ウソヲ ツイタ
母の死後、北村さんは母が亡くなったことや母の最期の様子を俺にどうしても伝えたいと思い、俺の居場所を知るために様々な手を使って実家のことを調べて、父が母と結婚してからも継母との関係を続け、直人が生まれたことなどを知ったそうだ。
北村さんはこの事実を俺に伝えることが果たして正しいのかと悩んだそうだが、母が死ぬまで俺を大切に思っていたことや、俺を置いて出て行かざるを得なくなったのは母だけのせいではなかったことを知っていて欲しかったと書かれていた。
そして手紙の最後はこうくくられていた。
『ひとつだけお願いがあります。
幼いあなたを残して去った母親を許せない気持ちはおありのことでしょうが、志岐さんの誕生日には彼女に会いに行ってやって頂けないでしょうか。
立派に成長なさったあなたの姿を見れば、彼女もきっと安心して眠ることができると思うのです。
一度だけでもかまいません。
どうか生前叶わなかった彼女の願いを叶えてやってください。
お願いします』
その下には母が眠っているという霊園の住所が記されていた。
北村さんはこの事実を俺に伝えることが果たして正しいのかと悩んだそうだが、母が死ぬまで俺を大切に思っていたことや、俺を置いて出て行かざるを得なくなったのは母だけのせいではなかったことを知っていて欲しかったと書かれていた。
そして手紙の最後はこうくくられていた。
『ひとつだけお願いがあります。
幼いあなたを残して去った母親を許せない気持ちはおありのことでしょうが、志岐さんの誕生日には彼女に会いに行ってやって頂けないでしょうか。
立派に成長なさったあなたの姿を見れば、彼女もきっと安心して眠ることができると思うのです。
一度だけでもかまいません。
どうか生前叶わなかった彼女の願いを叶えてやってください。
お願いします』
その下には母が眠っているという霊園の住所が記されていた。